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企業分析001 北の達人コーポレーション【2930】事業・経営・投資価値を徹底分析!

目次

事業内容

北の達人コーポレーションの主な事業内容は、健康美容商品をはじめとする、自社オリジナルブランドの企画、開発、製造及び販売です。

その中でも最も売り上げが大きいのは「北の快適工房」で、売上の90%を占めています。いくつかのブランドを持ちつつも、YonYで売上が大きく伸びたのは北の快適工房だけなので、1つのブランドで大きく成果を上げている企業と言えるでしょう。

購入形式は定期便で、「新しい顧客の獲得」と「獲得した顧客の継続」が重要になってきます。

企業特徴

北の達人コーポレーションの他社との違いは、効率的な広告投資をしている点です。

会社の利益は、「顧客の購入金額 」-「獲得にかかった広告費用」で表されます。北の達人コーポレーションは、利益率目標を定め、目標を下回らないように広告費用を調節しています。

広告投資した商品の売り上げが悪かったり、定期便の継続率が悪ければ、その商品への広告投資額を下げ、逆に良ければ広告投資額を上げます。

したがって、売り上げが良くても悪くても、一定の利益は得られる仕組みになっているということです。

PL

評価: B

北の快適工房の売上, 利益の推移は以下の通りです。

バフェットコードより

23年度と24年度を比較すると、売上が大きく伸びているのがわかります。22年度と23年度を比較すると営業利益率が大きく下がり、その傾向は24年度まで続いていることもわかります。それぞれの原因を探ってみましょう。

22年度から23年度にかけて大きく営業利益率が下がった原因は、販管費、特に広告宣伝費の増加です。目的は北の快適工房の新規獲得数増加です。北の快適工房は定期便形式のサービスのため、多くの新規獲得を得ることで長期的に売り上げを伸ばしていくことができます。結果、24年度は大きく売り上げを伸ばすことになったわけです。この広告投資は適切であると言えるでしょう。

ただし、定期便サービスである以上、新規獲得し続けなければ売り上げは下がっていくため、この伸びは一過性のものであると言えそうです。実際25年の予想売り上げは下がり、営業利益率は上がる見通しになっています。

この1年の伸びは素晴らしいものの継続した成長ではないと判断し、評価Bとしました。

BS

評価: B

北の達人コーポレーションの資産状況は以下の通りです。

総資産
流動資産

北の達人コーポレーションの流動比率は24年2月時点で500%越え で、かなり安全だと言えます。

また自己資本比率は24年2月時点で80%越えで、こちらも十分安全圏と言えるでしょう。

一つ気になるのは、流動資産の増加です。北の達人コーポレーションにおいて、流動資産のほとんどは商品在庫です。ただ商品には保存期限もあるため、売り上げが下火になった場合この商品在庫が一気に不良在庫化する危うさも孕んでいるように感じます。

資産指標はどちらも安全圏であるものの、この点を踏まえ評価をBとしました。

CF

評価: C

営業CF454
投資CF-278
財務CF-224
総合CF-48
24年2月時点のCF (百万円)

北の達人コーポレーションのキャッシュフローは、24年2月時点で上記のとおりです。

営業CFは23年度と比較し、当期純利益は大きくプラスになっているものの、棚卸し資産の増減額の大きなマイナスで、結果的には微増という結果になっています。

23年に多量の広告費を投下し新規獲得を伸ばした影響で、今後定期便用の商品が大量に必要になるため、これは自然なことと言えるでしょう。

また財務CFは、株主への配当を減らした影響で23年度比で減額しています。配当を減らしてでも、定期便用の商品確保に当てたいという意図があるのではという予測をしています。

現状の定期便会員に対して十分な在庫量が確保できているとすると、CFがマイナスになるものは一過性のものだと考えられるため、評価はBとしました。

総合評価

評価: B

北の達人コーポレーションは、自社オリジナル商品の企画、開発、販売を定期便の形式で行っている企業です。

特徴は商品の売り上げに合わせて広告投資を調整している点で、これには「商品の売り上げに関わらず、一定の粗利を担保できる」「商品の売り上げが伸びたタイミングで、さらに伸びを大きくできる」というメリットがあります。

一方で、「商品の売り上げ次第では、広告投資ができないため上げ止まってしまう」「在庫を抱えたまま伸びが止まると、一気に不良在庫が嵩む危険性がある」などのデメリットもあります。

良くも悪くも、売れる商品を開発できるかにかかっているため、評価はBとしました。

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