どうもふみ丸です。
2024年11月13日、関西電力から「資金調達のために、約1億5000万株を発行する」というとんでもないニュースが飛び込んできました。
これを受けて、関西電力の株価は、およそ18%も下落しています。
さて、このニュースを受けて、ふみ丸こう思いました。
・「公募増資」ってなに?銀行からお金借りるのとは違うの?
・なぜ公募増資をするとこれほど株価がさがるの?
・今後関西電力の株価はどうなっていくの?
今回はこの辺りの疑問に答えていこうと思います。
公募増資とは
さて、企業がお金を調達する方法は、大きく分けて「投資」と「融資」の2つです。大きな違いは「受け取ったお金を返す義務があるか」ということです。
「投資」の場合、投資家は資金を提供する代わりに、企業から株式を受け取ります。めでたく会社が成長し、株式の価値が上がれば、投資家はその増加分を利益として得られるわけです。
ただし返済義務はないので、うまくいかない場合は、投資家は投資した分のお金を失ってしまうこともあります。
対して「融資」の場合、企業は借入先に対して、借りたお金を利息と共に返済する義務があります。したがって、基本的にとりっぱぐれはないものの、企業側に返済能力があるのか、きちんと判断することが重要になってきます。
財務的な見方をすると、投資で得たお金は「純資産」、融資で得たお金は「負債」(つまり借金)になります。
「投資」と「融資」の違いは、返済の義務があるかどうか。
さて、今回関電が取ったのは「投資」の方です。「俺らこれからめっちゃ頑張るから、(返せなくなるかもしれないけど)もっともっとお金ちょうだいー!代わりに新しく発行した株式を渡すでー!」という施策をとった訳です。
投資と融資はどちらが得?
さて、これだけ聞くと企業側としては、返済義務のない「投資」 の方が良さそうではありますが、投資側にももちろんデメリットがあります。
投資家に口を出される
投資している立場からすると、企業が間違った施策をするのを黙ってみているわけにはいきません。そのままだと自分が投資したお金がなくなっていまうリスクがあるわけですから。
また企業としても、投資を続けてもらうために、投資家のいうことをある程度のまなくてはいけなくなります。
したがって投資は、「返済義務がない代わりに、投資家の発言を事業に反映させないといけなくなる」というデメリットもあるわけです。
どちらがいいかは、企業の状況や、方針によりそうですね。
投資は、返済義務が生じない代わりに、株主意見を聞かざるをえない状況になる
公募増資で株価が下がるのはなぜか
さて、では増資によって、株価が一時的に下落する理由はなぜでしょうか?
増資に伴って、企業は見返りにするための株式を新たに発行します。
この段階で、市場には「求められている以上の株」が出回ることになります。
野菜や魚も、豊作の時には値段が下がり、不作だと値段が上がりますよね? 株も同様に需要以上の価値が出回ると金額が一時的に値段を下げます。
増資のために需要以上の量の株が出回ると、株価は下がる。
今後関電の株価はどうなるか
さて、下がってしまった関電の株価はどうなるのか
鍵となるのは「関電にさらに投資したいと思える人がどれぐらい現れるか」という点です。需要と供給が釣り合えば株価はまた上がるわけですから。
関電は今回の投資の使い道として、「電力供給施設の効率化」や「データセンターへの投資」を挙げています。
電力供給が効率化すれば、より安価に電気を作れるようになり、関電の営業利益率は改善するでしょう。でた分の利益の一部は配当として株主に帰ってきそうです。
またデータセンターは、今後AIを使う上で必須の施設であり、投資価値は十分にありそうです。
一方で今回の増資による株価下落で損をしてしまった人もたくさんいます。この人たちにとっては「関電は株主が損をするような施策を平気でうつ企業」というように映ったことでしょう。
今後関電の株価が上がるかは、今回の投資が「株主にとって利があるかどうか」をアピールできるかどうかにかかってきそうです。
まとめ
・「投資」と「融資」の違いは返済義務の有無
・「投資」は株主の意見を聞き入れなくてはならない状況になるため、どちらがいいかは企業次第
・増資のために株式を大量に発行すると一時的に株価は下がる
・下がった株価が上がるかは、「投資価値があるか」をアピールできるかにかかっている
最後までお読みいただきありがとうございました!
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