今回はPLとは何かについて、世界一優しく解説していきます。
PLとは「企業の収益と費用の損益計算をまとめた決算書」のことです。
… よくわからないですね。具体例を使って解説していきます
例え話で理解する「PLとはなにか」
たけし君の学校には、駄菓子屋さんが遠くて、お菓子が買いに行けない友達がたくさんいます。
たけし君は、この状況から、以下のようなビジネスを思いつきました。
- 学校の近くの駄菓子屋さんで、50円でお菓子を仕入れる
- お菓子が買いに行けない友達に、100円でお菓子を売る
たけし君は、今月、10個のお菓子を仕入れ、全て100円で売り切ることができました。
さて、今月たけし君が得た儲けはいくらでしょうか?
整理するために、たけし君は
- 売り上げ
- お菓子の購入代金
- 残ったお金
を以下のような表にまとめてみました。
売り上げ | 1000円 |
お菓子の購入代金 | 500円 |
残ったお金 | 500円 |
1つの表にまとめたことで、実際手元に残ったお金がわかりやすくなりましたね
さて、同じようなことが一般的な企業でも成り立ちます。
企業は、お客様にものやサービスを売って、売り上げを立てています。
お客様から得たお金のうち、一部はものを仕入れたり、作ったりする費用に使われ、残ったお金が、企業の利益として残ることになります。(厳密にはここから、さらにお金が引かれていくわけですが、それは次の記事で解説します。)
これがPL(損益計算書)です。
つまり、
- 企業がある期間に立てた売り上げ
- その売り上げを立てるためにかかったコスト
- コストを差し引いて、企業の元に残ったお金
を一目でわかりやすくしているわけです。
PL(損益計算書)は「売り上げ」「コスト」「利益」を一目でわかるようにまとめたもの
実際のPL
では実際のPLをみていきましょう。
以下はJAL(日本航空)の決算資料から売り上げに関する項目を抜粋したものです。
たくさん数字が並んでいて頭がこんがらがりそうですが、一旦注目すべきは3箇所です。
赤(売り上げ)
各期間の売り上げです。JALは2023/4/1 ~ 2023/9/30の間に8209億円、2024/4/1 ~ 2024/9/30の間に9018億円を売り上げており、前年の同じ時期と比較すると、売り上げが増えているのがわかります。
昨年と比べて、売り上げに有利になるような要素があったのではないか、と想像することができますね。
青(営業費用)
該当機関の間にかかったコストです。JALの場合、飛行機を動かすための燃料代や、CAやパイロットの人件費などがかかると予想されます。
こちらも2023年と2024年を比べてみると、2024年の方が増えています。
ただし、コストが増えるというのは一概に悪いことではなく、以下の2つの要因が考えられます。
- JALの利用者が増えた分飛行機をたくさん飛ばさないと行けなくなった。=> その分の燃料代が嵩んでしまった。
- 燃料費の高騰により、同じ数の航空回数でも燃料費をたくさん払わないと行けなくなった。
1の場合は、手元に残るお金(利益)は増える可能性が高いですが、2の場合は同じ売り上げあたりの利益は減ることになります。
このどちらかを見分ける方法については別の記事で解説します。
緑 (利益)
もろもろの費用を差し引いて、最後に残った利益です。このお金は「会社の資金として蓄え」たり、「あたらしい飛行機を買う費用」に回されたり、「株主に配当としてくばられ」たりします。
つまり、株主側の目線だと、利益が増えているか がもっとも重要なわけです。最悪赤字に転落すると、 配当がもらえなくなってしまうのですから当然ですね。
2023年と2024年を比べてみると利益が減っています。JALはなぜ利益が減ったのかを厳しく追及されてしまうかもしれません。
・実際の会社のPLも「売り上げ」「コスト」「利益」を見ればOK
・昨年と比べて売り上げが下がる(コストが上がる)ことは全て悪いとは言えない。「なぜそうなったのか」を考えるのが重要。
まとめ
PLの読み方について理解していただけましたでしょうか。最後まで読んだみなさんは決算資料がだいぶ読みやすくなったのではないかと思います。
次回は、「経常利益」「営業利益」など、より高度な知識にも触れながら、PLをさらに深く読み解いていきます!
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