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企業分析003 JAL【9201】事業・経営・投資価値を徹底分析!

今回は日本航空(9201)について、徹底分析していきます!

目次

事業内容

まずは事業内容を見ていきましょう!

以下はJALの決算資料から抜粋した、収益の内訳です。

航空会社特有の言葉が出ているので、解説します。

まずはフルサービスキャリア(FSC)ローコストキャリア(LCC)の違いを押さえておきます。

フルサービスキャリアは、「金額は少し高いけど、サービスの量もそれなりに多い」、従来型の料金システムです。

サービスというのは、例えば機内食がついたり、wifiが使えたりなどですね。

対してローコストキャリアは、「サービスは控えめ、だけどその分値段は安くするよ」という、最近出てきた料金システムです。

図を見ると、JALは、フルサービスキャリアが売上収益のほとんどを占めています。(確かに、JALのLCCってあまりイメージないですよね…!)

また「マイル・ライフ・インフラ」領域の収益も意外と多く、全体のおよそ15%を占めています。

これは、例えばJALで貯めたライフをショッピングにつかったり、地域創生に貢献したり…一般的な航空事業とは離れた領域の事業収入です。

より詳しく知りたい人は、JALの公式の事業紹介ページを見てみましょう。

PL

次に、売り上げと営業利益の推移を見ていきましょう!

以下はバフェットコードより取得した、JALの売上と営業利益の推移のデータです。

まず注目すべきは、20年度、21年度に売り上げが大きく下がっていることです。また同じ年には利益も赤字になっています。

これは、コロナにより、旅客機の収益が大きく減少したことによるものです。

20年度は、国際線の売り上げが前年比95%減、国内線の売り上げが前年比67%減となっています。旅客売り上げがほとんどを占めるJALにとっては特に打撃が大きい年でした…!

ただし、その後コロナの脅威が小さくなるにつれて、業績も回復してきている様子が見てとれます。23年度にはコロナ以前の(19年度)の業績を上回っていますね!

また22年度以降、営業利益率が回復していることにも着目しましょう。JALの23年度の決算をみると、売り上げは前年度比20%増に対し、営業費用は14%しか増えていません。

つまり、旅客機の需要が回復するにあたって、運行数だけでなく、1便あたりの席の充填率が回復し、それによって営業利益率が上がったのではないか、ということが見えてきます。

BS

次にバランスシートを見ていきましょう。

以下はバフェットコードより参照した23年度のバランスシートです。

まず注目すべきは、全体の40%を占めている有形固定資産です。(ご想像のとおり)その8割は航空機です。航空会社ならではのバランスシートだと言えるでしょう。

また、経営状況を表す数値も見ていきます。

自己資本比率35.8%で、基準である30%を超えています。

また流動比率(流動資産/流動負債)は138%で、こちらも十分安全圏。

かなり安定した経営をしている企業だと言えるでしょう。

CF

次にキャッシュフローを見ていきます。

23年度のキャッシュフローは以下のとおりです。

項目金額(百万円)
営業CF363,945
投資CF-195,099
財務CF-105,031
フリーCF145,870

営業CFをしっかりと稼ぎ、投資CF、財務CFを支払った後でもまだ余力のある安定型のCFといえそうです。

投資CFは「固定資産の購入」が主です。これからの需要を見越して航空機を増やしているのでしょう。

その他

その他、JALの決算を読む上で気になったことをまとめていきます。

EBIT

まずはJALの決算に頻繁に登場する、EBITについて解説します。EBITはEarnings Before Interest and Taxes (利息と税引き前利益)です。つまり営業利益のことです。

なぜJALは売上ではなく営業利益ベースでの評価を重要視しているかというと、(ここからは個人の想像ですが)JALが2010年に経営破綻をしていることが大きく影響しているのではないかと見ています。

つまり、単に売り上げを伸ばすだけではなく、十分採算の取れる事業展開をしていることを、株主にアピールする目的が大きいのではないでしょうか。

今後について

さて、JALは投資価値のある企業といえるのでしょうか。

一つの指標となるのが、日本の海外旅行者数(アウトバウンド)のデータです。

実は2015年以降、このグラフの形状が概ねJALの株価と一致しています。JALの旅客関連収益に関して、国際線と国内線の比率はおよそ1:1、国内線の需要が横ばいであることを考えると、JALの売り上げの大部分はこの動向で決まると言ってもいいでしょう。

2024年現在、円安が進行中で、海外旅行はまだまだいきにくい状況です。今後円高になり、海外旅行者数が2018年の水準まで戻った段階でJALの株価も2018年基準まで戻ってくれることを個人的には期待しています。

まとめ

今回はJALについて徹底的に企業分析を行なっていきました。

安定した経営状況、今後の旅客需要を考えると、今十分に投資価値のある企業だといえそうです。

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